追記:肥後守ナイフ籐巻きタイプ用のレザーシースを作成したので、そのリンクを最後に追加しています。
日本の伝統的ナイフといえば肥後守で、肥後守は折り畳み式(フォールディングナイフ)の、チープだけれども質実剛健で実用性一本槍な昭和の少年御用達なナイフです。
昔は、100円くらいでどこにでも売ってありました。
家には砥石があったので、切れなかったり、乱暴な使い方をしてボロボロになったあとは、チマチマと砥石で研いで、肥後守が段々と小さくなっていったのはいい思い出。
ついでに、しばらく使わないで久しぶりに見ると、サビだらけってのもいい思い出。
そんなノスタルジックな肥後守なんですが、子供の頃から使ってきたので、どんな高価なナイフよりも使い勝手が良く、手入れさえしときゃぁ何にでも使える便利なナイフなんですが、親しんだ折り畳み式肥後守ではなく、折り畳みではない籐巻きタイプという肥後守があって、まぁフルタングナイフっちゃあフルタングなんですが、柄(グリップ)が籐で巻いてあるので「籐巻き」という名前になっています。
見慣れた角型ってタイプと丸型ってタイプの2種類あって、折り畳みではないので見慣れた角型ではなく丸型でいいや、と丸型を使っています。
これまた、よく切れるし竹や木の細工に便利ないいナイフなんですよ。
そんな肥後守籐巻き丸型なんですが、柄(グリップ)がイマイチで、イマイチってのは個人的にイマイチって意味で、もう少しグリップ感が欲しかったので、パラコードでグリップを編むことにしました。
肥後守籐巻き丸型
使っている肥後守籐巻き丸型は、こんな形のやつです。
刃幅が4mmくらいあるので、小さいですけど、ずっしりとしています。
刃はスカンジナビアンエッジ(スカンジグラインド)です。フルスカンジです。
蛤刃(コンベックスエッジ)のナイフを使っていて「なんじゃこりゃ」とずっと思っていたのですが、肥後守を子供の頃からずっと使っていたからだと気が付いたのは最近のこと、というのは内緒。
手のひらとか手先とか指先とか力の入れ具合とか、もうスカンジエッジ仕様になっていたり。
なので、スカンジナビア半島の人とかラップランド人とかに親近感を覚えたり。
サーミ人とかも手先器用だったんでしょうか?
日本人はお箸を使うので、こっちの方が器用と思いたい(笑)
ステンレスじゃないので、手入れを怠ると錆びます。
刃幅4mmもありますが、バトニングなんてアフォなことはしません(笑)
そういうことは、ナタや斧でやる。
柄(グリップ)にパラコードを編み込む
籐を外す
そんなこんなで、
パラコードを編み込むには籐巻きの籐が邪魔なので、まず、こいつを除去します。
ニッパーを使ってチョキチョキと切るとスルスルするっと籐が取れます。
籐巻きを外した状態は、こんな感じです。
籐を巻きやすいように(滑り止めの意味も)赤いビニールテープみたいなのが貼ってあります。
こいつは、そのままにしておきます。
刃を養生する
肥後守籐巻き丸型にはシースが付いていません。購入時は、小さな化粧箱に入っているのですが、空けるとビニールのシースもどきが刃の部分に被さっています。
これからパラコードを編み込みので、ケガ防止のために刃を養生します。
というか、
籐巻きを外す段階で養生して下さい!
新聞紙で刃をグルグル巻にしてビニールテープで固定してます。
なにげに、シースになっていたり。
穴を開ける
パラコードで編むには、ナイフ本体に穴が必要です。
そういう編み方をしたので。
デ、
肥後守籐巻き丸型には、穴なんてありません。
なので、
電気ドリルで穴を開けました。小さいドリルから始めて最終的には5mmのドリルで穴を開けました。
5.5mmだったかもしれない・・・
この穴に、最終的に編み込んだパラコードを通します。
本当は、パラコードが緩まないように、グリップ上部に、もう一箇所穴を開けるのですが、面倒だったのでグリップ後部の一箇所しか穴を開けていないというのも内緒。
使うパラコードを決める
編み込むパラコードの柄(がら)なんですが、アウトドアチックにオリーブドラブ(OD)にするか、刃物なので目立つ色にするから悩みました。
結局、
肥後守籐巻き丸型は小型なので、刃物でもあるので目立つ色にしました。
この柄(がら)は、ファイヤーボールという柄(がら)です。
タープやテントを張るとき、いっつも使っているファイヤーボール柄だったりします。
柄(グリップ)に編み込む
ここから、実際の編み込み作業になります。
パラコードをクロスさせ編み込む
本当は、グリップ上部に開けた穴にパラコードを通し、しっかりと結んではじめるのですが、穴を開けていないので、そのまま編み込み始めます。
これでも普通に編み込めます。
左右のパラコードをクロスさせて、きつく絞って裏側に回します。
クロスさせたら、グリップ上部にパラコードを圧縮しながら(隙間が出来ないようにする)、ひたすらこの作業を繰り返します。
グリップ後部の穴の手前まで繰り返します。
グリップ後部の穴にパラコードを通す
グリップ後部の穴の手前まで編み込んだら、穴にパラコードを通します。
そして、きつく引っ張ります。
一本目は、穴がパラコードより大きいのでスルスルすると通ります。
二本目は、ラジオペンチなどを使い穴に通します。
パラコードの先端をライターで末端処理する時に、ちょっと尖った形に整形すると先っぽだけ通りやすいです。
その先っぽをラジオペンチなどで掴み引っ張ると上手く通ります。
二本目も通したら、きつく引っ張ります。
グリップ感を確かめる
グリップ後部の穴に二本のパラコードを通すと、穴がタイトなので、まず、緩むことはありません。
ここで穴の真上で二重結び(から結び)して作業を終了してもOKです。
とりあえず、
グリップ感を確かめます。
グリップのパラコード結びは終了。
ランヤードを編み込む
ここで作業を終了せずにランヤードまで編み込みました。
また作成してないですが、肥後守籐巻き丸型のシースを作るので、ランヤードで出し入れ(ほぼ出す時)しやすいようするため。
スネークノットで編み込む
ランヤードは、スネークノット(Snake Knot)という編み方で編んでいきます。
まず、自分から見て左側のパラコードを輪っかにする。
次に、右側のパラコードを左側の輪っかに通す
そうすると、右側にも輪っかが出来ます。輪っかが二つ。
次に、左側の輪っかに通した右側のパラコードを、上から左側の輪っか(最初に作った輪っか)に通します。
ここで左右のパラコードを絞ればスネークノットが出来ます。
ランヤードなのでグリップから遊びを持たせたいので、最初のスネークノットの結び目を決める位置を調整しながらパラコードを絞ります。
何も考えなくてパラコードを絞ると、一番上にスネークノットの結び目が出来ますよ。
最初のスネークノットは結び直しも簡単なので、どの位置から始めるか調整しつつ作業をします。
デ、
このスネークノットを気が済むまで編み込みます。
自分が好きな長さまでという意味です。
ランヤードの末端処理をする
スネークノットはタイトな結び方なので、ここできつく結べば、一応、それで終了にしてもいいです。
が、
念の為、ランヤードの末端処理をしました。
左右のパラコードを一重結び(ハーフヒッチ)で結んでいます。
ギュッと。
きつく。
パラコードを切って末端処理する
これでランヤード編みは終了なので、余ったパラコートを切ります。
適当に切ります。
切ったパラコードの末端を末端処理します。
ライターで炙って指先で固めます。
作業完了
これですべての作業が終わったので、再度グリップ感を確認し、試し切りをします。
いい感じだったので、これで作業完了です。
とりあえず、出来上がり。
肥後守パラコード編み動画版
というような作業の動画は以下になります。
編み方(結び方)は、動画で見る方がわかりやすいはず。
見にくいですが(笑)
作業を終えて
まとめると、
ナイフのグリップのパラコード編みは、色々な編み方があって、簡単に出来るのから、ちょいと慣れが必要なものまで色々なんですが、刃物なので、自分が使いやすいグリップ感の編み方が一番いいと思います。使いやすいグリップは怪我防止になります。また作業効率も上がります。
つうことは、何種類か試さないとわからないわけですが。
でも、
マ、
実用的なナイフの使い方している方は、そんなの苦じゃないはずなので、パラコードではなく木製グリップ自体を自作したりして、すでに使われているはず。
ということで、
怪我防止のため、作業効率向上のため、自分に合ったグリップを自分で見つけましょう。
それにしても、
肥後守は、いいナイフであります。
ってなことで。
追記:肥後守籐巻きタイプ用レザーシース
作ったので、記事をリンクします。
超簡単に、超手抜きなレザークラフトです。