和式ナイフの代名詞な「肥後守」はシンプルで質実剛健、それでいて安価で手軽で実用的な折りたたみ式ナイフですが、折りたたみではない「籐巻きタイプ」の肥後守もあります。
ハンドル(柄)に籐が巻いてあるから「籐巻き」です、
この籐を外してパラコードでハンドル(柄)を巻いたという記事を過去記事に投稿していますが、この籐巻きタイプの肥後守にはシース(鞘)がありません。
折りたたみ式の標準的な肥後守にも無いんですが、これは、基本的に、ポケットに入れておくポケットナイフなのでいいとして、「シースナイフ」な「籐巻きタイプ肥後守」にシース(鞘)が無いのは安全性の観点からも困るわけで、作ることにしました。
革で作るので、レザーシース。
もちろん、
超手抜きなお手軽レザークラフトで作ります(笑)
なお、
超手抜きなお手軽レザークラフトのレザーシース作りも過去記事で投稿していて、今回はそれよりさらに手抜きな作りなんですが、基本的な作業工程は同じなので、
この記事を読んでも全然わからないじゃねぇかよ!
という方は、過去記事を参照してください(笑)
過去記事でもわからないじゃねぇかよ!
というのはナシでお願いします(笑)
作り方
作業工程的には、以下の順番になります。
が、記事では端折って書いてない部分もあったりします。
作業動画も貼り付けますが、短い動画にしたので、さらに端折った作業動画だったりします。
要は、革を切って縫うだけ!
- 型紙を作る
- 型紙を革にけがく
- 革を切る
- 床面処理をする
- ベルトループを縫う
- 本体を縫う
- コバ面処理をする
- フィクシンワックスを塗る
型紙を作る
肥後守が収まるサイズの適当なデザインのシース型紙を作ります。
今回は、適当が主題なので、なるべく作業を減らしたいため長方形のデザインにしました。
A4コピー用紙に適当にボールペンで枠を書きます。
そしてカッターナイフやハサミで型通りに切ります。
まぁ、だいたいでいいです。
革の方で微調整とかやるので。
型紙を革にけがく
型紙を革にあてて形をけがいていきます。
まぁ、けがいている最中に手がプルプルしてけがきがはみ出ちゃったりしたりしますが、気にしない。
だいたい型紙通りにけがけていればOKにします。
どうせ微調整しますから。
あとあと、そんなに困ることはないです。
外国人とかだと、けがきもせず、いきなり革切断から始めちゃったりしますから。
革を切る
けがいた線に沿って革を切ります。
カッターナイフで十分です。
カーブのところなんか、なかなか上手い具合にキレイに曲線にならなかったりしますが、気にしません。
切り出したあと。
結局、ここから、また、少し切っているんですが、それは内緒。
床面処理をする
床面ってのは、革の裏側(バックスキン)の面のことです。
表は銀面っていいます。
別に覚えなくてもいいんですが、レザークラフトの教科書とかに書いてあるので、意味を知らないと何もできないという。
デ、
まず、
トコノールで床面を整えます。
床面ザラザラでも問題ないので、別に必要ないっちゃ必要ない処理だったりするんですが、でも、日本人的感覚だと、ここは、整えておきたいという欲求が出てくるはずなので、やります。
もちろん、ワイルドな外国人は床面処理なんてやりません(笑)
実用一本槍の観点で彼らはレザークラフトやりますから。
次に、
二つ折りにするので、その真ん中をすきます。
柔らかく二つ折り出来るように床面の革を薄く削るわけです。
甥っ子が小学生の時に使っていた彫刻刀でやりました。
彫刻刀はレザークラフトに何気に役立つアイテムだったりします。
割とガリガリ削っていいです。
削っちゃ二つ折りにして確認し、削っちゃ二つ折りにして確認しつつ作業します。
ベルトループを縫う
本体を縫う前にベルトループを縫います。
まず、ベルトループ先端と本体の縫う場所をカッターナイフで削ります。
ベルトループ先端は三角形にしたので、三角形の部分を削ります。
本体のベルトループがくる箇所も同じ三角形に削ります。
接着剤のサイビノールを塗るから。
サイビノールを塗ったら固定して放置します。
サイビノールが固まったら、ベルトループ先端の縫う箇所を彫刻刀で削り(ステッチンググルーパーが使えないから。接着する前にやろうと思えば出来ますが彫刻刀でいいや!と)、菱目打ちで穴を空けます。
そして縫います。
麻糸をビーズワックス(蜜蝋)でしごき、縫い針に通して縫い始めます。
革を固定しなくても、そのまま縫えます。
デ、
三角形に縫えばベルトループ縫いは完了です。
本体を縫う
今回は、二つ折りにして重なる部分に中敷きを入れません。
かつ、
縫う場所もサイビノールの接着剤で接着しません。
重なった部分をいきなり縫うだけ(笑)
なので、
床面処理でトコノールを塗っている画像では、接着剤のサイビノールを塗る箇所を避けてトコノールを使っていますが、別に床面全面に使っても良かったな、と、この時点で思っています。
そんなことはどうでもよくて、
ステッチンググルーパーで縫い線を付け、菱目打ちで穴を開けたら、
ベルトループ縫いと同様、麻糸をビーズワックス(蜜蝋)でしごき、縫い針に通して本体縫い作業開始。
重なっているとこを接着してないので、縫ってないところは「びろーん」って感じです。
なので、縫ったらキツく締めます。
これで十分なんですワ。
全部縫い終われば、とりあえず、
肥後守用レザーシースの完成ではあります。
もう使えるって意味で。
コバ面処理をする
本体も縫い終わったので、もう終わりっちゃ終わりなんですが、
とりあえず、
微調整なコバ面処理をします。
コバ面ってのは、革の側面のことです。
まず、
適当に切っているので、重なっている(縫った)側面、つまり、コバ面をカッターナイフで微調整します。
揃ってない部分を削って平坦にしているわけですワ。
適当に、ですが(笑)
次に、
ウッドスリッカーでコバ面を磨きます。
この作業は面白いですよねぇ。
段々とテラテラしてくるの見ていると「おおう」ってなりますもんね。
適当クオリティのレザーシースに不釣合いな作業なんですが(笑)
フィクシンワックスを塗る
染色もしないしレザーワックスとかも使わないので、フィクシンワックスを縫って仕上げます。
実は、
本体を縫う前にすでに一度フィクシンワックスは塗っています。
本体に塗り込みドライヤーで浸透させています。
なので、二度目(笑)
別に一番最後の仕上げ時でも良かったのですが、縫う前の方が塗りやすいので。
最後は綿布で拭き上げています。
染色面倒くさいのでやってないのですが、ナチュラルなレザーは使い込むと段々と飴色になってきて味が出てきます。
オンタリオのオールドヒッコリーナイフ用に昨年作ったレザーシースは、
すでに、
いい感じの飴色になってきています。
できあがり
つうわけで、
とりあえず、出来上がりです。
肥後守ナイフ籐巻き改(パラコード巻き)を入れて具合を確認します。
ただ差し込むだけの仕様ですが、何かのはずみに落ちることはありません。
割と鯉口(シースのナイフを入れる口。日本刀用語ですが)がタイトなので、入れる時と出す時に広げるような使い方をします。
マ、
これで十分だな、と。
モーラ・ナイフにも使えるサイズだったりします
モーラ・ナイフのコンパニオンとかにも、なにげにフィットするサイズだったりします。
ジャストフィットさせるには、もう少し幅が必要ですが、問題なくレザーシースとして使えました。
モーラ用には使わないと思いますが(笑)
肥後守用レザーシース作成動画版
というような作業の動画は以下になります。
説明も何も入れてない動画なので、これだけ見ても、よくわからないという。
最後に
相変わらず、
雑で、
適当で、
見た目も悪いレザークラフトなんですが、実用重視なので、これでいっかな、と。
でも、
もっと格好良くしてみたい!
と思う今日このごろであります。
デ、
左利きなのに、また型紙の裏表を間違えて右利き用に作っちゃった、というのは内緒ではありません。
前回は、手斧のレザーシース作成時に間違えていたり。
ってなことで。