刃物を持つのは左手な左利きなので、市販されているシースナイフのシース(鞘)はとても不便でした。右利き用を無理に使っていて、そのため器用にはなったのですが、やはり左利き用が欲しいなぁと。
ちょうどキッチンナイフをアウトドア用に改造したナイフがあって、キッチンナイフなのでシースなどなく、色々と不便だったので、この際左利き用シースを作ってしまえ!
と、作ってみました。
超簡単に。
必要最低限のことだけするレザークラフトのナイフシース作り。
必要最低限のことさえ、やっていないかもですが(笑)
前半は、アウトドア用ナイフに改造したキッチンナイフについて書いています。
前段が、わりと、長い(笑)
オンタリオのオールドヒッコリーブッチャーナイフ7インチ改
アメリカにオンタリオ社というナイフメーカーがあって、アメリカ軍とかにも納入している伝統あるナイフメーカーなんですが、安くて手軽なナイフも製造販売しています。
オールドヒッコリーというシリーズです。
ナイフのハンドル(柄)がヒッコリーという木で出来ているナイフです。
炭素鋼で、すぐ錆びるので有名です(笑)
基本的にキッチンナイフです。
キッチンナイフなので、水回りでよく使うわけで、使った人ならわかりますが、洗って水分をきって、置いておくと、見ている間に錆びます。
いや凄いですよ(笑)
バーベキュー用として使うのですが、バーベキューソースたっぷりな焼いたお肉を切ると、バーベキューソースもナイフに付くわけですが、そのままにしておくと、大変なことになります。
それくらいチープ。でも安い。そして頑丈。
キッチンナイフなのにフルタングですから(笑)
バーベキューに最適なオールドヒッコリーシリーズ
上でバーベキュー用として使うと書いていますが、バーベキュー用としては、とても優秀で使いやすいです。
なぜかというと、
うちでは、バーベキューでは、こんな肉を使うからです。
ナックル(シックフランク)という部位の牛モモ肉
6100gとラベルにありますが、ええ、6.1キログラムの塊肉です。
100グラム100円くらいなんッスよ。塊肉だと。
ナックルという名前のモモ肉です。アメリカだとシックフランクって呼ぶ部位かな?
こいつをバーベキューに使った記事は別サイトに書いているので、検索すれば詳細が出てきます。
こういう塊肉は、まずトリミングをします。余分なスジや膜や脂肪などを取り除く作業のことです。
こんな風にやります。
塊のままだと、エイリアンの卵みたいです。
こっからフェイスハガーが飛び出ても、なんの違和感もないですワ。
この時は、厚切りにしたラウンドステーキと薄切りにしたビーフケバブにしたので、そういう風にカットしています。
オールドヒッコリーのブッチャーナイフとスライサーナイフでサクサク出来ました。
ヒレ肉
お肉自体が柔らかいヒレ肉も、塊肉だと、こんな細長い形です。
美味しい赤身肉。
この中にシャトーブリアンと呼ばれる部位があります。
3キロ以上あります。
マグロかよ!ってな感じではあります。
トリミングしないと、どうしようもない状態なのでオールドヒッコリーナイフを駆使してトリミングします。
この時は、確か、ヒレステーキ用と焼肉用にカットしたはずです。
リブロース(キューブロール)
ステーキにすると一番美味しい部位なリブロースの塊はこんな感じです。
オージービーフのリブロースなのでキューブロールという名前。
ショートグレインだったかなぁ?
3キロくらいあります。
この裏側には、結構な膜とか余分な脂肪があるのでトリミング必須です。
オールドヒッコリーナイフ大活躍です。
普段の料理に使う三徳包丁だと、チト、つうか、だいぶ厳しいです。
スペアリブ
スペアリブもスーパーに売ってあるパック入りのショルダースペアリブ(肩スペアリブ)ではなく、セントルイスカット、またはセントルイススタイルと呼ばれる洗濯板みたいなスペアリブを使うので、オールドヒッコリーナイフは必須。
こいつは、このまま焼くので、食べる時にオールドヒッコリーナイフを使って切ります。
セントルイススタイルのスペアリブはデカイです。
バックリブの方が小さいので切るのは簡単。
この手のスペアリブは、調理前に切って使う場合もありますが、大きさは変わらないので、結局オールドヒッコリーナイフが大活躍。
使えるナイフと使えないナイフ
というように、
オールドヒッコリーナイフはアメリカンなサイズなので、バーベキューには最適です。
焼肉式バーベキューだと使わないです。
でも、焼肉式バーベキューは、ほとんどやらないから、バーベキューではオールドヒッコリーナイフは必須アイテムだったりします。
普通のアウトドアナイフは、バーベキューはアウトドアでやるので、アウトドアナイフと名の付くナイフは使えそうですが全然使えません。
モーラにしろファルクニーベンにしろバークリバーにしろ、全然使えません。
役立たずです(笑)
堅牢さは手斧や鉈に負ける、細かい作業は肥後の守や切出ナイフに負ける、なんつうか、どっちつかずなナイフだなぁと。
なんに使うんだろう?
バーベキューですら使えないのに(笑)
サバイバル?
震度7の地震が連続で2回来た地震を昨年経験しましたが、ナイフなんて、必要なかったです。ハサミ最強!
ナイフは一応持ってはいたのですが、活躍する場なし(笑)
サバイバルは状況別にあるので、一概には言えないのですが、日本でサバイバルな状況になるであろう事態を想定すると、それは天災で、特に台風と地震。
北海道とか台風来ないそうですが、この間来ちゃったし、それでポテトチップス販売休止になっちゃったし!
山やブッシュでのサバイバルは、そりゃ遭難だろう、と(笑)
そういう意味では、本当のサバイバルナイフなんてのは無いんだな、と。
人は工夫するので、普段使いのやつが一番使えます。つうことを、被災して実感しました。
あ、ノコギリですが、地震とかで家がつぶれた時に柱とか切って脱出するためのサバイバルツールとしてとかなんとかありますが、家が倒壊するくらいの時は、
重機じゃないと無理です(笑)
ノコギリで云々の前に、潰されて死んでますワ。
前震があって、みんな外で寝てたのであれくらいで済みましたが、前震と本震の順番が逆だったら桁が2つくらい違った犠牲者が出ていました。
潰れた街並み、電信柱が真ん中から折れて電線が映画のようにプラプラ垂れさがりバチバチ火花散っていて、地下にトレマーズでもいるんじゃないかと思えるくらい地面が波打っていて、有り得ない箇所に段差があり、瓦礫でどこが道かわかんない、ような場面を直視すると、
想像と現実はこんなにも違うものなのか、と、無事だった自分や周りの人の姿にホッとしますよ。
人は、自分の都合のいいように考えるものなので、想像と現実は絶対に、ちがいますです。
結局、
こう自分から進んで山とかブッシュに入って、少ない道具(でも割かし高価なものは持っていたり)で何かやる場合の遊びくらいでしか日本では使いようがないな、と。
ハンティングで使うつっても、ハンティングナイフあるしなぁ。
やはり、実用的ではないナイフになるなぁ。
ファルクニーベンのF1とかバークリバーのブラボー1(笑)
コレクション用。
海外だと話は別なんでしょうね。
が、
男子だと、ああいうズシリとしたナイフとか持っちゃうと欲しくなるんですよね。
もう本能だから仕方がない(笑)
男子が夢中になるのは、遊びと危機だけ、と言ったのはニーチェでしたっけ?
開高健もそう言っていましたが、本気になるのは「遊びと危機(危険)」になるのは男子の本能なので、欲しくなるのは当たり前。
そもそも、日本でナイフを実用的に使う場面って、プロな山仕事とか漁師する人くらいで、その他は、ほぼ遊び用ですもんね。
日本でアウトドアといったら、基本的に、イコール「遊び」ですし。
なので、どうでもいい(笑)
あ~欲しいなぁ。F1やブラボー1。
外国の肥後の守はモーラでもオピネルでもなく
デ、
アウトドアナイフでよく使われるモーラナイフ。スウェーデンのナイフですが、そのお手頃価格や手軽さなどから、海外の肥後の守とか言われますが、これ、違いますよ。あと、フランス製のオピネルも。
オールドヒッコリーナイフこそが海外の肥後の守です。
アメリカだと、どこにでも売ってあるし(肥後の守も昔はどこにでも売ってありました)、モーラより安い(肥後の守も昔は100円で余裕で買えました)し、どう考えても、オールドボーイの淡い記憶にある肥後の守と合致するのはオールドヒッコリーナイフ。
ただ、日本だと、ナイフショップとかから取り寄せてもらわないと買えないかなぁ、面倒くさい。
在庫があるナイフショップもあって、ネット通販が発達した現在だと、そう面倒くさくもないかも。
が、
モーラにしろオールドヒッコリーにしろ、輸入された日本で買う場合、値段が倍以上になっていたりします。
まぁ、仕方がない(笑)
ちなみに、オピネルはちゃちぃので肥後の守から遠いとこにいます。同じフォールディング(折りたたみ)ナイフですが、肥後の守はチープだけれども堅牢さはありますから。
オピネル、ガタガタですもんね(笑)
キッチンナイフなのでシース(鞘)は付いてません
そんなこんなで、
オンタリオ社のオールドヒッコリーナイフを6本持っていて、1本は単品購入で、残り5本はセットのやつでした。
キッチンナイフセット。
こんな具合に箱に入ってます。中はラミネートされていて、いかにもチープです。
キッチンナイフなので、種類ごとに5本あります。
- 8インチのスライサーナイフ(スライス用ナイフ)
- 7インチのブッチャーナイフ(肉切り包丁)
- 6インチのボーナーナイフ(骨切りナイフですが日本では馴染みがない種類。スライサーみたいなもんです)
- 4インチピーラーナイフ(ピーラーなので皮剥き器ですが果物ナイフです)
- 3と4分の1インチのピーラーナイフ(上と同じく果物ナイフです。上のナイフと一緒にステーキナイフとして使ってます)
という構成です。
ブッチャーナイフに関しては、10インチのやつを別途持っていて(ダディが使っているやつ)、このため、7インチのブッチャーナイフと被っていて、この7インチは全然使ってませんでした。
下の画像の一番上が10インチブッチャーナイフです。
この使ってない7インチブッチャーナイフをなんとか使おうと、短くしたりハンドルを削ったりしてアウトドア用ナイフに改造しました。
改造前と改造後のビフォーアフター。
ヤスリでちまちま削りました。
最初はもう少し長かったのですが、使い勝手が悪く、最終的にこの長さにしました。今は使いやすいです。
が、
キッチンナイフだけにシースがない(笑)
アウトドア用としては、超不便です。
おまけに、わたしは刃物を持つのは左手の左利きで、右投げ右打ちなんですが、細かい作業とかは左手になり、他のシースナイフも持っているのですが、シースが右利き用でとても不便でした。
左利き用のシース作らなきゃ・・・
と思いつつ、強引に右利き用のシースを使っていたりしたのですが、オールドヒッコリー7インチブッチャーナイフ改のシースは必須なので、この際作っちゃって、その他のシースナイフのシースも左利き用のを作ろう、と。
その他のやつは時期未定ですが、オールドヒッコリー7インチブッチャーナイフ改のシースだけは早急に作ろうと。
早急・・・なので、超簡単に、つまり、手抜きというか、必要最低限のことだけやって作るレザーシースにしようと、作ったわけです。
マ、
牛革買ってきて、適当に切って、穴開けて、縫えば出来上がるのですが、そこそこのやつを作りたい、でも細かい仕上げとか面倒なので手を抜きたい、というところの妥協点が必要最低限というのは内緒。
以上が前段、前置きになります。
バーベキューとか被災の話はレザークラフトと関係ねぇじゃん!というのも内緒。
流れ的にそうなってしまった、と(笑)
簡単レザーシースの作り方
そんなこんなで、ここから作り方です。
- 型紙を用意する(別に無くても問題ないです)
- 革を型に合わせて切る
- 革を縫う前に接着させる
- 革を縫う
- 形を付ける
- 仕上げる
基本的な作業はこれくらいで、細部を整えるための作業(床面処理とかコバ磨きとかヘリ落としとか)がありますが、それくらいはやろうとやってます。
染色はしていません。
革の保湿等は、専用オイル(ミンクオイルとか)ではなく、アウトドア万能ワックスことFix’n Wax(フィクシン・ワックス)でやっています。防水も兼ねて。
Fix’n Wax(フィクシン・ワックス)は、マジで万能だから困る。
あ、
あと、最終的には一部始終動画を貼り付けるので、アウトドア料理とかの記事より超手抜きな記事になってます。
工程が多かったので(笑)
ナイフシースを作るので頻繁にナイフを取扱ます。型紙作る時など。また、革を切る際には革包丁やカッターナイフなどを使用します。刃物で怪我をしないよう注意しながら作業しましょう。
型紙を用意する
オールドヒッコリーブッチャーナイフ7インチ改をA4コピー用紙の上に載せて、頭の中で考えたデザインをもとに型紙を作ります。
頭の中で考えた、つうよりも、一番シンプルな形にしただけなんですが。
海外動画を参考にしています。シンプルにすると、デザインは一緒になります。
ナイフが入るスペースが確保できるなら、適当でいいです。
革を縫った後も成型の微調整するのでミリ単位の精密度はいらないです。
だいたいこんな形だな、でいいと思います。
革を型に合わせて切る
ざっくりと革を切って、あとは型紙に合わせて、型紙と同じに切ります。
使用した牛革は厚さ2.5ミリのやつです。ナイフシースには、チト薄いかな。4ミリくらいが望ましいです。
A4コピー用紙の型紙を厚紙とかに貼って、それから革に型をけがいて、それから切るつう工程が教科書的ですが、面倒くさいので、A4コピー用紙を直接革の上に置いて(貼りつけず)、ボールペンで優しく丁寧に型をとって、
カッターナイフでガリガリ切ってます。
革包丁とか別たちとかの専用工具ありますが、カッターナイフで十分です。
このレベルのレザークラフトなら。
別たちは安いですが、革包丁はビックリするくらいお高いですから。その予算あるなら、厚くて固い牛革を買った方がいいです。
あ、100均のカッターよりホームセンターの工具売り場にあるガテン系のカッターナイフの方がいいです。ロックが固めで刃も大きいので使い勝手がいいです。
300円から400円くらいです。安いです。替刃も2枚標準で付いているので、数年は持ちます。
革を縫う前に接着させる
革を切ったら、ベルトループ作ると思うのですが、そこのへり落とし、コバ磨き、あと全体の床面処理くらいはやりましょう。
縫う箇所の革は、縫ったあと微調整するので、その時にへり落としやコバ磨きをやればいいです。
ベルトループは、最初に縫っちゃうので先にそれらをやります。
あとでベルトループを縫うやり方なら、一緒にやる。
デ、
サイビノールつう革接着剤を使って縫い面を接着させ、クランプで固定。
革専用接着剤じゃなくても全然平気ですよ。ボンドとかでも。
革を縫う
革を縫うわけですが、麻糸だとロウ引きといって、ロウに麻糸を通してしごく作業があって、割かし楽しかったりします。
最初からロウ引きしてあるナイロンとかの糸の方が、ナイフシースとかだと便利なのかな?
このあたりは真面目にやる工程なので、教科書買ったり、親切なサイトの記事を読んだり、動画とか見て、ちゃんとやりましょう。
ちゃんとやりました(笑)
麻糸は面倒くさいですねぇ。途中何度もほつれて、それに対処する時間が実作業時間よりも長かったりしました。
ちゃんとやろうとしつつ、一気にやろうとしたのがいけなかったはず。
デ、
縫う時は固定した方がいいです。
専用器具とかあります。レーシングポニーって名前です。でもいらないです。自作できます。
板二枚とクランプあればいいです。
壊れた簡易バイスとクランプを使って固定させました。
形を付ける
今回のシンプルなナイフレザーシースには、ナイフを固定するボタンを付けないので、シース自体にナイフの形を付けます。
きっちり収まるようにして、揺れたくらいじゃ抜けないようにする。
そのため、革にナイフの形を付ける必要があります。
簡単です。
革を水で濡らし、ラップで防水処理したナイフを縫ったシースに入れ、指で形を付けていくだけ。
乾けば、そのナイフの形が革につきます。
今回は、ボウルに温水を入れ、それにシースを浸し、軽く水分を拭き取ってからラップで包んだナイフを入れました。ラップで包まないと錆びます。
濡れて柔らかくなった革に指でシコシコと形を念入りに付けていきます。ここはしっかりとやる。
そのまま一晩か二晩乾燥させます。天気がいいなら、タオルに包んで日向に置いても問題ないです。
今回はシース全体を濡らしましたが、一部分だけ濡らしてやる方法もあります。
面倒だったので、もう一気に水没させました。
濡れていると、染色していない革なら、ちょっと濃い色になります。
元々が白い色なので、乾きは色で判断できます。
仕上げる
形を付けたシースが乾いたら、ラップで包んだナイフを抜き、仕上げに入ります。
縫い面のコバを削ったりして微調整したあと、へり落としコバ磨きをやります。
最後にFix’n Wax(フィクシン・ワックス)を塗って終了です。
無い場合は、ミンクオイルとかの専用オイルを塗る。
完成
以上の工程で、とりあえず、なんとか使えるレザーシースは完成します。
最終的には、Fix’n Wax(フィクシン・ワックス)を分厚く塗り、その上からドライヤーを当てて溶解させ、革に染み込ませています。
色が濃くなります。
ちょっとマダラになり味が出てきたかな、とか思う場面です。
チープ&シンプルなレザーシースなので、雑な作りではありますが、こんなもんで十分です。
ナイフを入れるところ(日本刀でいうところの鯉口)は、負荷がかかるところなのでダブルステッチにすれば良かったかなぁとか思いましたが、強力接着剤で補強することにしました。
あと、作り終えたあとに、工程の順序を変えれば良かったと思うところも多々あり(例えば床面も縫う前にFix’n Wax塗りまくってドライヤー当てれば良かったとか)、次に作るやつは、それらを踏まえたやつにしようと思っているところであります。
思うだけで終わるかもですが(笑)
ほんで、
完成まで3日かかっていますが、実作業時間は1日です。
接着剤が乾くまで待った1日、形を付けるために乾燥させた1日があるので3日です。
アウトドアナイフの革シースを作る一部始終動画
そんなレザーシース作りの映像は以下になります。
色々とカットしているところありますが、そうしないと長時間になるので仕方なく。
だいたいこんな感じで作りましたってなやつです。
と、
まぁ、
こんな感じの、「簡単レザークラフト アウトドアナイフの革シースを作る」でした。
いや~こういうの上手い人は、ホント丁寧な作業で立派なものを作られますよねぇ。
たいしたもんだ。
自分も見習おう。
ってなことで。