アウトドアにおけるウッドクラフトというと、カービングナイフとか使ってククサ(木製コップ)や木製スプーンなどを作るのが(それもキャンプ場とかで)、それらしく見えたりするので、そういうのがアウトドアのウッドクラフトと思ったりしますが、ここは日本で、コップなら竹を切ればすぐ出来るし、スプーンも竹で簡単に作ることができたりして、木製フォークに関しても同じで、いまいち、カービングナイフの日本での必要性(商品や製品として作る以外という意味で)、アウトドアでの必要性ってのがわからないのですが、
やっぱ、
見栄え重視ということですかね(笑)
カービングナイフを使用して作る木製スプーンとナイフだけで作る竹製スプーンは、深さに違いが出てきますが、実用的観点からだと許容範囲内だったりして、それでも「やはり深みが欲しい」と思うなら、汎用性のある「丸のみ」をひとつ、出来ればサイズ違いを2つ持っていれば、日本のアウトドアシーンではサーミ人にも真似できないことが多々できたりします。
マ、ものによったら、大工道具くらいある丸のみとか、見た目はカービングナイフのでかいやつみたいなのもあるんですが・・・
そんなことはどうでもよくて、
そんなアウトドア見栄え重視定番なウッドクラフトで一番簡単なのは、専用道具のいらない木製ハンマー作りで、日本だと木槌(きづち)と言いますが、金槌みたいな形ではなく横長な「横槌」と呼ばれるタイプのものになります。
地方だと農家じゃなくても、昔は絶対ひとつはあったやつです。
藁打ちとして。
藁を叩いて柔らかくして加工するための道具として。
横槌作りに使用する道具とか
そんなこんなで、
庭の剪定をした時に出た手頃な丸太があったので、戦前から家にあった藁打ち(横槌)が壊れたことだし、ちょいと藁打ち(横槌)を作ってみました。
使用する道具とかは、家にある道具類です。
- 適当な丸太
- 適当なノコギリ
- 適当な鉈
- 写ってないですが、適当なナイフ
- 写っている藁は使用しません
基本的には、鉈だけで作るのですが、微調整のためにナイフも使っています。
手斧とかでも出来ますが、外国人が手斧で横槌とか作っているのですが、ナタの方が便利です。
山の中とかで、その場で必要になり作る場合は、手斧だろうが鉈だろうが関係ないんですが(笑)
適当に作るので。
柄の作り方は二種類あります
藁打ち(横槌)を握る「柄」の部分ですが、これには二種類の作り方があって、叩く部位と一体型の、つまり、すべてひとつの丸太から削って作る方法と、「柄」を別に作って叩く部位に差し込む方法があります。
どちらでも構いません。
強度もそんなに変わらないと思います。基本的に藁打ちなんで、壊れる時は壊れます。
戦前からある壊れてしまった藁打ち(横槌)は、後者の「柄」を差し込む方法で作られていました。この「柄」が経年劣化で根本からポキリと折れて壊れちゃいました。
80年だか90年だか、それくらい使ってきているやつなんで、叩く部分も細くなっていて、いつか折れるナと思っていたら、案の定折れましたワ。
最初は、こいつを修理しようと思っていたのですが、手頃な丸太があったので新規に作ったほうが簡単だな、と。
時間があれば修理しますが、叩く部分がこういう感じで削れているのでどうなんだろう、と。
今回は、叩く部分と柄が一体型のやつを作ります。
こっちの方が、本体と柄を別々に作る必要ないので簡単だと、個人的には思います。
藁打ち(横槌)の作り方
ここから作り方です。
簡単にいきます。
そもそも簡単な作業なので(笑)
丸太を適当な長さに切る
叩く部分、柄の部分を考慮して丸太を適当な長さに切ります。
叩く部分が何センチ、柄の部分が何センチってのは、検索すれば何かしらヒットすると思います。
適当です。
叩く部分が長くても、柄の部分が長くても、どちらでもいいです。
作ってみて、叩く部分が短い方がいいなら、その時にカットすればいいし、柄の部分が短いほうがいいなら、やはり、その時にカットすればいいだけなので神経質になることはないです。
個人で持ちやすさは違うので、最後に調整すればいいです。
全長30センチ未満でいいんじゃないんでしょうか。
柄の部分を削るための切込みを入れる
叩く部分と柄の部分の境目に切り込みを入れます。
マーキングして丸太に切り込みを入れるわけですが、柄が中心になるように、切込みの深さが一定になるようにノコギリにも深さのマーキングをして、そのマーキングに合わせて切り込みを入れていきます。
ノコギリに油性マジックでマーキング描いても、次に使うと、マーキングのとこより深く使うと勝手に摩擦で消えます。
柄の部分を削る
荒削り
切り込みに合わせて、柄の部分の荒削りをします。
ナタを使ってトントントンと叩いて削っていきます。
荒削りなので適当でいいです。
仕上げ削り
ある程度荒削りした柄の部分を、手元を太く、叩く部分との結合部分を細く仕上げていきます。
手元を太くするのは、握っている時のすっぽ抜け防止のためです。
この時、鉈を両手に持って使いますが、一方はナタの柄、もう一方は刃の上を持つのですが、この刃の上を持つのには持ち方があります。
手のひらの手首に近い部分(肉が盛り上がっている部分)を刃の上(峰)に押し当て、指先は丸めておきます。
そのまま平行に力を加えて、上から下にナタを動かし削るのですが、刃の上(峰)に置いた指先を丸めておかないと、
指が落ちます!
必ず、指先を丸めて作業してください。
この作業が終わると、柄の部分は完成です。
樹皮を削る
柄の部分が出来たので、今度は叩く部分を仕上げます。
樹皮に覆われているので、これを削っていきます。
ナタを柄の仕上げ削りと同じ持ち方で持ち、樹皮を削っていきます。
柄の部分を上にして削った方が、樹皮は削りやすいと思います。
柄の部分と違い、大きくは削らないので、丁寧に安全作業を意識して行って下さい。
樹皮を削らないという手もある
藁打ち用ではなく、木製ハンマーとしてだけの横槌の使い方なら、樹皮を削らないという手もあります。
キャンプや野営時に、ペグ打ちとか支柱打ちとかだけに使う一時的なものなら、丁寧な作業になる樹皮削りはいらないかもです。
どのみち、打ち込んでいると、樹皮が剥がれてきますから。
見た目は汚いですけど(笑)
その場合は、柄の部分も「握れればOK」レベルでいいので、すぐに作業は終わりますよ。
つうか、そういう場合は、ちょっと太めの枝をそのまま使っちゃうんですけどね。
柄を削っている工程で鉈を叩いている枝がそうです(笑)
野営地では、これで十分だったり。
微調整をする
面取りというか、ちょっと最後に微調整でナイフを使って削っています。
やってもやらないてもいい作業です。
藁打ち(横槌)完成
基本的に、樹皮削りが終われば完成です。
微調整はお好みで。
結構な量の削りカスが出ますが、焚き火の焚付に重宝したりします。
ちょっと長かったかも
叩く部分を最終的には、もう少し短くする予定です。
藁打ちには長すぎでした(笑)
そして重かった!
藁打ち(横槌)作りの動画版
というような工程の動画は以下になります。
見たとおり、簡単に出来るウッドクラフトです。
最後に
とにかく、力を入れて鉈を使いますので、ナタの使用時には、くれぐれも安全第一で作業しましょう。
そして、
やはり、
カービングナイフ欲しいなぁ~と思う今日このごろだったりします。
見栄え重視いいじゃない!
ってなことで。