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ポーランド軍テントの再防水 グリーンランドワックス防水時の脆弱箇所を補強する

投稿日:

自家製グリーンランドワックスで防水加工したポーランド軍テント(ポーランド軍ポンチョテント)は、それはそれは素晴らしい防水性能を発揮して満足しているのですが、弱点というか盲点というか脆弱箇所があって、そこをキッチリと防水加工しておかないと雨漏りします。

ボタンです。

ボタンは糸で縫ってあるので、許容量以上の水分が吸収されると、溢れます。つまり、雨漏り。

テントやタープでも「シーム加工」と言って、ちゃんとしたやつは、継ぎ目や縫い目にはシームシーリングされてます。

シームは「縫い目」、シーリングは「封印する」の意味。

安いやつは、そんなのしてないので、普通に天井から雨漏りし、底から水が滲んできます。

アウトドアする人なら、当たり前の用語つうか機能ですね。

安いやつでも、そういうとこが、キッチリ処理されている製品もあり、そういうメーカーは「ちゃんとしたとこだ」と評価も高い。

手間がかかる部分を手抜きすることなく、かつ、安価で提供しているためで、手間がかかるということは、イコール、コストがかかるということですから。

ポーランド軍テントのグリーンランドワックスでの防水加工

こんな感じで自家製グリーンランドワックスで防水加工してました。

ポーランド軍テントを自作グリーンランドワックスで防水する

ポンチョテントにおけるワックス防水の性能限界

そんなこんなで、

自家製グリーンランドワックスで防水加工したポーランド軍テント(ポーランド軍ポンチョテント)は、フィールドテストで完璧な性能を発揮したのですが、性能限界もありました。

フィールドテスト時には、わかりませんでした。

三日目が鬼門

なぜなら、

土砂降りの雨の中で張っていて、三日目になって雨漏り確認したから。

フィールドテストは、確か、雨は2日くらいだったはず。

一日中雨だったのですが、「こんなの楽勝だぜぇ」とポーランド軍テント(ポーランド軍ポンチョテント)の三枚張りで余裕こいていたら、

三日目に、

「あれ?なんでグランドシート濡れてるんだろう?」と(笑)

テント・シートの裾から雨の飛沫がとんだかな?それにしては、えらく真ん中とかにも濡れがあるな。

とか思っていたのですよ。

二日目までは(初日も二日目も一日中雨の天気でした)全然問題なかったのです。

三日目が鬼門。

雨の中で張っていたポーランド軍テント三枚張り

ボタンから雨漏り

よく見ると、ボタンから、正確に言うと、ボタンの縫い糸から雨が滴り落ちているではありませんか。

うそ~ん!

ポーランド軍テントのボタンから雨漏り

ポーランド軍テントのボタンの縫い糸から雨漏り

雨漏りの原因

ぶっちゃけ、

自家製グリーンランドワックスは固形で塗っていたので、ボタン付近は塗り難く、より柔らかいフィクシンワックスを塗っていたのですが、

適当にやってました!

それが第一の原因。

つまり、

ボタン付近は、ほぼノーマル状態だった。

第二の原因は、

コットンは、水分を含むと膨張して防水性が高まりますが、コットンが(ここではボタンの縫い糸)許容できる水分量を三日目に超えた、と。

ほぼノーマル状態なので、二日目まではOKだったけど、三日目にオーバーフロー。

性能限界と上で書いていますが、ノーマル状態で、という意味です。

ボタン付近を再防水する

そんなこんなで、

原因はわかったので、あとは対策です。

再防水です。

具体的にどうやるかというと、

自家製グリーンランドワックスを「液体」で塗る!

です。

それもガチガチにやります。

自家製グリーンランドワックスを作った時、旧ソ連軍のポンチョなケープであるプラシュ・パラツカに液体で塗っていますが、そりゃ固形なんて目じゃない防水性能でしたから。

ゴワゴワしちゃって重くなりましたけど(笑)

デ、

液体なので塗りやすいし、完璧にボタン付近をシールできるな、ということで。

グリーンランドワックスを溶かす

残り少なくなっていた自家製グリーンランドワックスをかき集め、再度成形していたやつ、ものすごく薄くなっているやつなんですが、そいつを湯煎で溶かします。

量的には、ボタン付近だけなので全然問題ないなと。

自家製グリーンランドワックスを湯煎で溶かす

細い筆でボタン付近に塗る

旧ソ連軍のポンチョでケープなプラシュ・パラツカには「刷毛」で塗りましたが、ボタン付近はそれだと大きすぎるので「筆」を使用します。

100均とかの筆で十分です。

グリーンランドワックス専用になっちゃいますから。

んで、

溶かした自家製グリーンランドワックスをボタンの縫い糸に塗りまくります。

表も裏もです。

ポーランド軍テント(ポーランド軍ポンチョテント)を持っている方ならわかりますが、

ボタンの裏もボタンです(笑)

表も裏もポンチョなりテントとして使用できるようになっているので、両面にボタンがあります。

表のボタンは糸足が長いですが、裏のボタンは糸足がほぼありません。

なので、

裏のボタンの方はうまい具合にやる(笑)

「糸足」って、ボタン縫い出来る人はわかりますが、ボタンと生地の間に空間が取ってあって、その分糸が長くなってます。その空間というか長さを「糸足」といいます。家庭科で習ったはず。

表のボタンは、この糸足にも塗りまくりますよ。

ボタン付近にグリーンランドワックスを塗る

上の画像の塗っている箇所は「糸足」のとこ。

スリットのボタンは構造上、それほど雨漏りの心配はないのですが、

ここも、ガッツリと再防水しておきます。

三枚張りの時は「横」にするので何も加工してないと、雨漏りの可能性があります。

三枚張りとかしないなら、普通は「縦」なのでやらなくてもいいかなぁ~。

いや、やっぱ、やった方が吉です。

スリットのボタンにもグリーンランドワックスを塗る

ヒートガンで浸透させる

本ブログではお馴染みの、ワックスを浸透させるヒートガン登場です。

自家製グリーンランドワックスの液体は、塗っている最中から固まりだします。

こいつをコットン生地に浸透させるため、ヒートガンで熱を加えます。

ボタン付近だけなので、ドライヤーでも大丈夫かなぁ。ダメかなぁ。

アイロンでは場所的に無理です。

ヒートガンでグリーンランドワックスを浸透させる

慎重にヒートガンを扱う

■ヒートガン使用時の注意点

ボタン付近に塗ったグリーンランドワックスを浸透させるため、長くヒートガンを当てているとボタンが劣化します。

つうか、割れます。ボタンはプラスチックですから。

なので、サッサッサッとやってください。完全に浸透させなくても大丈夫ですよ。液体時にたっぷりと塗り塗りしていれば。

浸透後に再度塗る

完全にシールしたかったので、ヒートガンで浸透させたあと、もう一度自家製グリーンランドワックスを塗っています。

ボタンの縫い穴の箇所に。

ヒートガンは当てません。

そうすると、

自家製グリーンランドワックスが自然に固まり、ボタンの縫い穴と縫い糸を覆ってくれます。

画像は忘れちゃいました(笑)

以上で再防水完了です。

ポーランド軍テント再防水加工の動画版

というような工程は以下の動画になります。

やること単純なので短い動画です。

最後に

いや~手抜きすると自分に戻ってきますねぇ~。

あんだけ苦労して防水加工したのに、ちょいと手を抜いたとこから「ちゃんとやれ」とリアクションくるんですから。

デ、

これ、一日中ひたすら雨の中の三日目のことなので、キャンプ場でポーランド軍テント(ポーランド軍ポンチョテント)を使用する方は、あんまり関係ないのかな、と思います。

一泊か二泊なはずなので。

雨の中、キャンプ場でキャンプしないと思うので。

そういう場合は、途中から雨になった場合と思うので。

ってなことで。

-道具, 野営
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