バックパックやキャンプなどで使用するアルコールストーブ(アルコールバーナー)は、トランギア(trangia)が老舗で有名ですが、そんなトランギア社はスウェーデンの企業だったりします。
デ、一般的なトランギアのアルコールストーブより大きいスウェーデンのアルコールストーブがあります。
スウェーデン軍の軍用アルコールストーブです。
単体ではなく、スウェーデン軍メスキット(飯盒、風防兼五徳、アルコール容器、アルコールストーブ等一式になった兵士の調理道具)のパーツのひとつとして存在します。
昔もっていたのですが、人にあげたか行方不明になったので、単体で購入できたので久しぶりに手にしました。
今では、こいつより大きなアルコールストーブなんてたくさんあるのですが、トランギアの普通のやつを見慣れていると、やはり大きいです。無骨一徹。
トランギア製ではなく、SVEA製なんですが。
そんなこんなで、
チェコ軍メスキットもあるので、ヨーロッパ軍用品で炊飯してステーキも焼いて食べようと、飯を炊いてラム肉を焼きました。
スウェーデン軍アルコールストーブとチェコ軍メスキット
スウェーデン軍アルコールストーブ
1970年製のSVEA(スベア)製でした。
今から(2018年から)48年前のものです。約半世紀前のもの。普通に使えます。
もともと、アルコールストーブ自体が単純な構造で壊れにくいものなので、全然問題ないです。
ただし、真鍮製なので、ほぼ、真っ黒に近い(笑)
真鍮(ブラス)は、磨けばピカピカに光を取り戻すので、ナイフメンテナンス用ポリッシャーで磨きました。
約半世紀前のものとは思えないほどに光を取り戻しました。
真鍮製は、経年の黒ずみが味があるんですが、なぜか磨いてしまいました。
消火蓋兼火力調整蓋はもともと付いていません
こいつには、普通のトランギアや他社製のアルコールストーブに付いている、消火蓋兼火力調整蓋が付いていません。
軍用なので火力調整とか必要ないんですね。消火蓋が無いのが謎ですが、おそらく、余計な部品を減らすためだと思っています。蓋でも出来ますし。
アルコールストーブの消火なんて、なんででも出来ますから。
ただ、こいつの蓋にはパッキン用ゴムが蓋裏に付いており、この蓋をそのまま消火蓋として使用すれば、一発でパッキン用ゴムが劣化つうか溶けちゃってダメになっちゃうんですが、そこはどうやっていたのでしょう?
アルコールストーブの消火なんて、なんででも出来ますから、そこは臨機応変に兵隊さん方はやっていたんでしょう。
デ、
こっちは趣味(遊び)で使うから、消火蓋兼火力調整蓋が欲しい。日本人なのでご飯を食べます。炊飯します。飯盒炊爨には弱火は必須。なので、火力調整は必須。既製品は、それらが一体化しているんですが、セパレート(ばらばら)でもいいので欲しい。
ので、
自分で作る(笑)
消火蓋兼火力調整蓋は自作する
空き缶を適当に切って作りました。
火力調整蓋だけそれなりに試行錯誤しました。既製品のように可動式にするか、それとも火力口を小さくするかで。
まぁ、空き缶を適当に切っているだけなので、たいそれたことはしてないんですが。
左下のやつだけ空き缶じゃないです。100均で適当なやつ見つけて加工したやつで、折りたたみハンドルまであります。
が、こいつは使い物になりませんでした(笑)
結局、消火蓋は、空き缶を適当に切っただけのキャップタイプ。火力調整蓋は、火力口を通常より二回りくらい小さくして丸く切ったやつに落ち着きました。
消火蓋は、空き缶切らなくても、ツナ缶がそのままでいけました(画面一番右)。
チェコ軍メスキット
メスキットとは?
そんなことはどうでもよくて、
メスキットとは何ぞや?って人は、アウトドア好きな人にはいないと思いますが、こいつは、メスティン(食器)のセットのことです。
だいたい、小さいフライパン、小さいお鍋、小さいお皿、小さいコップ、それにナイフやフォークやスプーンで一式になったやつです。それらが、上手くスタッキングやパッキング(収納)できるようにデザインされています。野外用簡易調理道具兼食器セットと思ってもらっていいかと。
なので、クッカーでもある。クッカーって調理器具という意味です。
一人用から大家族用までいろいろあります。
チェコ軍メスキットは、軍用なので一人用(シングル)タイプのものです。ナイフやフォークやスプーンなどのカトラリーは付いてません。
小さいお鍋と、もっと小さいお鍋と、それらのお鍋の蓋兼フライパンがセットになっています。蓋兼用フライパンは食器(お皿)もさらに兼ねています。なので、フライパンにハンドルなんて気の利いたものありません。
お鍋は食器も兼ねています。
スウェーデンは寒い国なので、シチューとか取り分けていたんでしょうねぇ。
ちなみに、シチューは煮込み料理のことです。なので、カレーもシチュー。
そんなこともどうでもよくて、
これらはアルミ製ですが、軍用だけあって厚めのアルミで出来ています。お鍋に付いているハンドルはチープですが、そこがいい!
先に、小さいお鍋ともっと小さいお鍋と書きましたが、面倒なので大きいお鍋と小さいお鍋に訂正します。
チェコ軍メスキットの調理道具としてのサイズ
大きいお鍋には、インスタントラーメンの袋麺が袋に入ったままキレイに入ります。つうことで、インスタントラーメンを作る場合には、そのまま乾麺を入れて作れます。インスタントラーメンをパッキングできます。その場合には、小さいお鍋は持ってかない。
小さいお鍋は袋麺は入りません。
また、昔からある兵式飯盒は4合炊けて、2合までなら抜群の炊飯ができますが1合炊きは、出来ないことないですが、ちょっと厳しいものがあります。4合炊きサイズでの1合炊きなので。
その点、このチェコ軍メスキットは1合炊き専用と言っていいほど完璧なサイズです。
つうか、2合炊きは無理(笑)
やったことないですが、1.5合炊きまでならいけると思います。相当吹きこぼれると思いますが。
ソロ(シングル)でのバックパッキングやキャンプでは、1食1合でご飯は十分なので、こいつはそれに適したサイズです。
それ以上が必要な場合は、有無も言わさず兵式飯盒一択です。トランギアのメスティンなんていらんのです。
亡くなった祖父が戦争中に使っていた、遺品の昭和17年製造の「ロ号飯盒」を今でも現役で使ってます。2018年現在、76年前に作られた飯盒ですが、普通に使えます。
スウェーデン軍用アルコールストーブで調理する
そんなこともどうでもよくて、
スウェーデン軍アルコールストーブを熱源とした、チェコ軍メスキットのお鍋を使用しての1合炊飯とスキレットで焼くラム肉ステーキです。
材料や道具などの一式は以下の通り。
具体的には、こんな感じです。
材料と用意したもの
■器具
- スウェーデン軍アルコールストーブ(熱源)
- チェコ軍メスキット(炊飯用)
- スターノ・フォールディング・キャンプ・ストーブ(風防兼五徳)
- LODGE(ロッジ)8インチスキレット(ステーキ用)
- ナルゲン・ステンレス・ボトル(水用)
■材料とか
- 米1合
- 水
- ラム肉
- オリーブオイル
- バター
- 岩塩(調味料)
- 赤酒(調味料)
- レモン汁(調味料)
- お醤油(調味料)
- ローズマリー(ステーキ用)
■その他
- まな板
- キャンティーンカップ(USGIレプリカ)
- 付け合せ用残り物炒め野菜(人参、ジャガイモ、ピーマンとか)
- 竹製ナイフとフォーク
- 木製スプーン
- 百円ライター(着火用)
画像に写っているのは、こんなもんでしょうか。
調理開始
チェコ軍メスキットに米と水を入れる
まず、チェコ軍メスキットの大きい鍋に米1合と水を入れ、30分間、米を水に漬けておきます。
この作業をやっておくと、まず、飯盒炊爨は失敗しません。
半煮え飯とかごっちん飯にならない、普通のご飯が炊けます。
ラム肉ステーキの下準備をする
米を水に漬け込んでいる間、ラム肉ステーキの下準備をします。
今回は、ステーキソースをお醤油、赤酒、レモン汁、ラム肉ステーキを焼いたあとの肉汁で作るので、下味としては岩塩を振るだけです。
庭先に生えていたローズマリーを香り付けとして使ってます。
炊飯する
30分たったら、スウェーデン軍アルコールストーブに火を付け、チェコ軍メスキットで炊飯します。
最初は強火です。普通のアルコールストーブの状態。
風防兼五徳なスターノ・フォールディング・キャンプ・ストーブは、焚き火用にロストルを追加してプチカスタムしているやつですが、SVEA製アルコールストーブも難なく置けるわけで。
火力にもよりますが、数分後にお鍋が沸騰してきます。
チャコ軍メスキットのお鍋の蓋は、鍋のハンドルで固定できるので炊飯に便利です。
沸騰してきたら、この蓋がグラグラしてきます。ちょいと吹きこぼれたりもします。
アルコールストーブは、ガスストーブなどと違い静かなので、音で判断できます。
デ、
沸騰したら「弱火」にします。
自作火力調整蓋の出番なわけです。
弱火で10分から15分くらい炊きます。
この時間は火力に左右されます。飯盒炊爨やメスキットや鍋での炊飯経験がない方は、試行錯誤してください(笑)
グツグツした音がプチプチした音に変わるまでなんですが、わかるかなぁ。
蓋を開けて確認してもいいです。
炊けたら、蒸らすので火から下ろします。
10分くらい蒸らせばいいですが、蒸らしの間にラム肉ステーキを焼くので、今回は、ステーキを焼くあいだ蒸らしました。
ラム肉ステーキをスキレットで焼く
最初は強火で焼く
ご飯を蒸らしている間にラム肉ステーキを焼きます。
自作火力調整蓋を外し、スキレットを置きます。
火力全開になります。
スキレットをよく温めます。
ちなみに、
スターノ・フォールディング・キャンプ・ストーブはアルミ製で、もしかしたらチタン製の同サイズのストーブより軽いかもですが、スキレットくらい余裕で置けます。
ロッジの8インチスキレットを使っていますが、な~んの問題もなく普通に五徳として使える堅牢さ。
さすが、アメリカンストーブ。
アメリカンストーブですが、アメリカ製かどうかは不明です(笑)
温まったら、スキレットにオリーブオイルを入れラム肉を入れます。
スキレットがよく温まっていたなら(プレヒートできていたなら)、ラム肉をおいた瞬間に「ジュー!」という美味しそうな音がします。
ステーキを焼く際の醍醐味はこの音!
弱火にしてさらに焼く
両面に焼き目を付けたら、火力調整蓋で火を弱火にします。
スキレット料理の火加減の基本は、中火から弱火で調理です。強火で調理することは、スキレットでは、ほとんどないです。
スキレットは分厚い鋳鉄製なので、強火のままだと、食材が焦げ付きますよ。焚き火でやる時も、熾火じゃない場合は、火から離して火力調整しつつ調理しますから。
なお、
今回のステーキ焼きは、焼き肉の延長としてやってます。
いつものようにバッチリとはやってないという意味です(笑)
マ、適当でいいやって。
バターを入れて風味を付ける
デ、
弱火にしたらバターを投下して、さらに、じっくりと、ステーキを焼きます。
好きなのはミディアムレアのロゼですが、ミディアムくらいでいいかと。
焼いているラム肉の表面を押したりして焼き具合を見つつ、
こんなもんだろう、と焼き終了です。
ラム肉ステーキの出来上がり!
ステーキソースを作る
スキレットには、ラム肉ステーキを焼いたあとの「おつゆ」が残っています。
肉汁とかオリーブオイルとかバターの残骸。
これにお醤油と赤酒とレモン汁を入れ、さっと煮てステーキソース完成。
付け合せ野菜を温め直す
付け合せの野菜は、前の晩の夕食の残りな野菜です(笑)
人参、ジャガイモ、ピーマンを炒めたやつなのですが、冷蔵庫に入れていたのでスキレットで温め直します。
ラム肉ステーキは、スキレットにサーブするので、付け合せ野菜はスキレットに入れたまま。
アルコールストーブを消火する
これで調理は完了なのでスウェーデン軍アルコールストーブを消火します。
自作消火蓋の出番なわけです。
炊飯したご飯の確認
ぶっちゃけ、ラム肉ステーキに10分以上はかけているので、炊飯したご飯の蒸らし時間も10分を超えています。
ま、いっかと。
デ、
チェコ軍メスキットで炊いたご飯の確認です。
キレイに炊けているわけですよ、これが。
さすが肉厚アルミ鍋。完璧。
鍋底には焦げもなく、しっかりとした白米のご飯が炊けていました。
ご飯とステーキの完成
つうわけで、美味しいごはんとラム肉ステーキの出来上がりです。
屋根はありますが、お外で作った野外料理なので、そのまま野外でいただきました。
ちょいと量多めかな、とか思ったりしたのですが、楽勝で完食しました。
動画版
というような工程の動画は以下になります。
スウェーデン軍アルコールストーブとチェコ軍メスキットの所感
スウェーデン軍アルコールストーブは、普通のトランギアやエバニューのアルコールストーブに比べ大型ですが、もともと、焚き火料理の控え熱源として利用するためのものなので、大きさは問題ないです。個人的に。
逆に、大型なのでアルコールがたくさん入って便利です。
スタッキングやパッキングに関しても、適当にやるし、ウルトラライトとか異次元のことと思っているので。
なんせ、
米軍コット(約9kg)を担いでガシガシ山に入ってキャンプするくらいなので(笑)
まぁ、軽くて丈夫で収納しやすいのに越したことはないんですが。
デ、
チェコ軍メスキットは、チープなんですが、もともとキャンプ用メスキットは安価で、チタン製とかだと割高ですが、こんなもん、ぶっちゃけなんでもいいわけです。
ちょっとサバイバル的になるかもですが、竹があれば、火も起こせるし、飯も炊けるし、コップにも器にもなるし、ナイフにもフォークにもスプーンにもお箸にもなるし、メスキットとかいらないってなっちゃいます。
が、
こういうギアに対する物欲は、永遠に少年の心を燃えさせるもの!
だったりするので、これはこれでアリだな、と。
個人的には、両方とも使い勝手良く、たいへんいいものだな、と思う次第であります。
ってなことで。
おまけ
壊れたハードディスクですね、3ヶ月で3つのハードディスクが連続で壊れて、心が折れてしまったのですが、直近の記事が昨年の11月末投稿で、約半年ぶりの新規記事投稿ですが、
なんか、
開きなおちゃったという(笑)
壊れたハードディスクには、投稿予定のネタ画像や動画がたくさんあったのですが、そういうことは忘れて、また記事を投稿しようと思っている次第であります。