追記:コットン製テントな軍幕のポーランド軍テントにも自家製グリーンランドワックスで防水加工を行ったので、その記事へのリンクを最後に追加しています。
米軍パップテントやポーランド軍テントや焚き火用タープは、コットン製だったりして、最初から防水能力があるやつもあれば、経年劣化等で新たに防水加工する必要があるものまで色々だったりしますが、日本は雨が多いので、持っているコットン製品の防水加工(または撥水加工)をワックスですることにしました。
デ、
買うの面倒なので自分で作りました(笑)
商品名だと「グリーンランドワックス」。
自分で作ったので「自家製グリーンランドワックス」。
そんな自家製グリーンランドワックスの作り方と防水テストの記事です。
旧ソ連軍ポンチョ(ケーブ)なプラシュパラツカ(Plash Palatka)に塗って防水テストやってます。
結論を先に書くと、
作るの簡単で、防水能力凄すぎ!
ただ、
コットン生地に塗るの、わりと大変だったりします。
自家製グリーンランドワックスの作り方
用意するもの
グリーンランドワックスの材料は、蜜蝋(みつろう)とパラフィンだけです。
どちらもネット通販で普通に買えます。
蜜蝋(みつろう)は、アウトドアでは昔から有名なアイテムですね。パラフィンはロウソクの素。
アウトドア万能ワックスなフィクシンワックス(Fix’n Wax)と同時に作っているので、下の画像には余分なものまで写っていますが、それは内緒。
つうわけで、作ったのは4月あたまだったりします。
蜜蝋(みつろう)とパラフィンは固体なので溶かす必要があります。
なので、溶かすための道具が必要です。
つうわけで、
用意したのは以下のもの。
材料と用意したもの
- 蜜蝋(みつろう)・・・400グラム
- パラフィン・・・400グラム
- カセットガスコンロ
- お鍋(大)
- お鍋(小)
- かき混ぜる棒
上2つが材料で以下は材料を溶かすための道具になります。
湯せんで溶かしますが、湯せん用のお鍋(大)はいいとして、蜜蝋(みつろう)とパラフィンを溶かすためのお鍋(小)は、使い捨て出来るやつがよろしいかと。
100均で適当なのを買って使っています。
材料の分量比率
大事なことですが、材料の比率は、蜜蝋1に対してパラフィン1です。1対1です。
蜜蝋(みつろう)が1本200グラムで2本あって400グラムだったのでパラフィンも400グラムです。
★使った蜜蝋とは違いますが、レビューを読むとこれでグリーンランドワックスを作ってる方いらっしゃいますね。この記事読んだのかな?100グラムのものもあって、軍幕だけなら、それくらいで十分なのかな、と。100グラム商品レビューにもグリーンランドワックス作ったってありました。それもポーランド軍テントの防水のためにと。この記事読まれたはず!
★このパラフィンは、この記事で実際に使ったものです。
蜜蝋(みつろう)を溶かす
カセットガスコンロでお鍋(大)にお湯を沸かします。
そのお鍋(大)にお鍋(小)を入れ、そのお鍋(小)に蜜蝋(みつろう)を入れて溶かします。
湯せんするわけです。
湯せんなので、放置していても勝手に溶けていますよ。
物凄く濃厚な蜜の香りがするはず(笑)
パラフィンを溶かす
蜜蝋(みつろう)が溶けたら、そこにパラフィンを入れます。
これも湯せんで溶かすので、放置しても勝手に溶けています。
たま~に撹拌したりします。
たま~に。
パラフィンが溶けて混ざったら出来上がり
たま~に撹拌して、パラフィンが完全に溶けて蜜蝋(みつろう)と混ざり合ったら完成です。
作り方もクソも、ただ溶かして混ぜるだけ!
こんだけです。
分量にもよりますが、そんなに時間はかかりません。
色は蜜蝋(みつろう)の黄色が強いので、同じ量のパラフィンを入れても黄色のままです。
プラシュパラツカへの防水加工
自家製グリーンランドワックスが出来たので、防水加工するために旧ソ連軍ポンチョのプラシュパラツカ(Plash Palatka)に塗布するわけですが、2種類の方法で行いました。
液体のまま、塗る。
固体にして、塗る。
また、コットン生地への防水加工は以下の手順になるので、それに必要な道具も用意しています。
防水加工手順
- コットン生地へのグリーンランドワックスの塗布
- コットン生地へグリーンランドワックスを浸透させる(ヒートガン使用)
液体と固体ともに生地へ浸透させるためのヒートガンなど必要なので、この工程で用意した道具類は以下の通りです。
防水加工のための道具
- 液体グリーンランドワックスを塗るための刷毛(はけ)
- 固体にするための容器(適当なタッパ)
- タッパから出しやすくするためのクッキングシート
- グリーンランドワックスをコットンへ浸透させるためのヒートガン(液体の場合は、ドライヤーじゃ出力不足。アイロンもいまいち。固体の場合は、ドライヤーかアイロンでいけるはず)
固体にする場合に一番いい容器は、適当な大きさのアイスクリームの容器(プラスチック製)です。
薄くて、中はテラテラで固まったあと出しやすいです。
無かったのでタッパ(笑)
液体のまま塗る
コットン生地に刷毛で塗布する
湯せんで使用した鍋(大)と鍋(小)に入ったままのグリーンランドワックスを使います。
冷えるとすぐに固まるので、お湯をいれたままの状態で使います。
適量を刷毛にとり、コットン生地にガシガシと塗っていきます。
延々、その繰り返しです(笑)
冷えて固まったグリーンランドワックスで刷毛がカチカチになったりしますが気にしません。
既に刷毛としての機能が失われているんじゃないか?とか思ったりしますが気にしません。
物凄く頑張ると、全部塗れます。
いや、結構大変な作業なんです。
チマチマチマチマした作業なので(笑)
塗る時は液体ですが、すぐに乾いて固まるので、液体時は黄色いですが、固まると御覧のように真っ白になります。
縫ってある所とか重なっている所は重点的に塗るので、均一ではないです。
マ、
海外の人もこれくらい真っ白に塗っているので、これくらいじゃなきゃなぁ・・・とか思いつつ頑張って塗ったわけです。
液体の場合、結構な量を使います。
ヒートガンでコットン生地に浸透させる
グリーンランドワックスをコットン生地に浸透させる(染み込ませて馴染ませる)ために、ヒートガンを使って溶かしていきます。
クリーニングの糊づけみたいなもんです。
液体を塗る場合は、ドライヤーじゃいつまでたっても浸透させることはできません。
なので、ヒートガン。
アイロンでも無理と思います。
バリバリに糊づけされたYシャツの何十倍もバリバリになります(笑)
重くなったし、サラサラな生地のプラシュパラツカ(Plash Palatka)が、畳むのにも苦労するくらいになりましたから。
塗り過ぎたか?
ヒートガンでの浸透を終えた後、改めて見ると、マダラ模様で濡れたような、世界地図のような、独特の模様があるやつになっていました。
ふ~ん。
見た目だけで水分を受け付けない状態(笑)
濡れているわけじゃありません。
オイルスキン oilskin
サラサラな生地がゴワゴワな生地になったわけですが、これぞ「オイルスキン」状態で、見た目も触り心地も最高だったりします。
固体にして塗る
グリーンランドワックスを固める
冷えれば、グリーンランドワックスは勝手に固まります。
四角い形にするため、タッパにクッキングシートを敷き、そこに液体のグリーンランドワックスを流し込み放置していました。
大きさにもよりますが、一晩くらい放置していれば完全に固まります。
固い石鹸みたいな感じになります。
材料と同じ固さに戻るわけです(笑)
薄いプラスチック製のアイスクリームの容器が、やっぱいいですね。
皺にならない(笑)
コットン生地に直接塗布する
固体のグリーンランドワックスを使用する場合は、そのまま直接手に持ってコットン生地に塗布します。
地味な作業が延々ですよ・・・
売ってるグリーンランドワックスは、こういう固体ですね。
フェールラーベン製のグリーンランドワックス。300円くらいかな?と思ったら、5倍以上するんですね。ビックリだわ。
フィクシンワックスを作る時に「ついでに」作った自家製グリーンランドワックスですが、自作で良かったッス。中身も性能も同じですからね。
そんなことはどうでもよくて、
液体時と比べて、塗りが薄いです。
大丈夫かな~とか思いますが、全然大丈夫なわけですよ。
車庫で作業したのですが、下がコンクリートなので、新聞紙を敷いて、その上に段ボールを敷いて作業したのですが、塗ると、段ボールの型が付きました(笑)
なので、途中から板を敷いて作業してます。
この作業はですね、液体よりも大変です(笑)
液体の場合は、刷毛でチャッチャカチャッチャとやれる部分もあるのですが、固体だと、地道に塗っていくしか方法がないわけで、途中で何度も心が折れそうになりました。
もう液体だけでいいや!って(笑)
何度も休憩をとりながら全部塗りあげた時にはガッツポーズが出ますよ。
ヒートガンでコットン生地に浸透させる
液体グリーンランドワックス時と同じように、こいつもヒートガンで浸透させます。
液体時より薄く塗れているので、この作業が予想以上に楽勝なのです!
ヒートガンを当てると、見ている間に浸透していき乾いていきます。
液体グリーンランドワックスの時は、塗る時よりもヒートガンで浸透させる作業が時間がかかりますから。
こっちは、超楽勝!
あっという間、でもないですが、全部浸透させて乾燥完了です。
御覧のように、マダラ模様にもならず、重さもほとんど変わらず、柔らかいままのプラシュパラツカ(Plash Palatka)なのです。
こっちの方がいいナ。
防水テスト
自家製グリーンランドワックスの塗布及び浸透が終わったので、防水テストをしました。
よく晴れた日だったので、ホースを使って水を噴射です。
あとで動画を貼り付けますが、そっちで見た方が分かり易いです。
液体加工したやつの防水テスト
最初に液体グリーンランドワックスを塗布したプラシュパラツカ(Plash Palatka)の防水テストを行いました。
ホースから霧状とストレート噴射!
水を弾きまくりです。
ストレート噴射後、表面は濡れたような感じになっていますが、裏面はドライです。
コットン自体が、水分を吸って膨れて目を詰まらせて防水する能力があるので、表面は大量の水をかけると濡れます。
表面だけ(笑)
裏はドライ!
マダラ模様は裏にもあるので、一見すると濡れている様ですが、単なる模様で、触るとドライなのがわかります。
凄いなぁ。
こいつは古いデッドストックもので、0.5ミリくらいの小さい穴が結構あったりするやつなんですが、そこからも水が漏れることはありません。
どうなってるの?
マ、
防水テスト大成功ということで(笑)
固体加工したやつの防水テスト
次に、固体グリーンランドワックスを塗布したプラシュパラツカ(Plash Palatka)の防水テストを行いました。
やはり、ホースから霧状とストレート噴射!
やっぱり、水を弾きまくり(笑)
固体の方は薄かったからどうだろう?とか思ったのですが、全然問題ないわけで。
裏は、やはり、ドライ!
世の中には防水剤としてシリコン系やらなんとか系とかたくさん売ってありますが、
そんなのいらないなぁ。
一気に、塗り作業と浸透作業の辛さが報われました(笑)
性能的にはこれで充分です。
雨の日の防水テスト
つう防水テストをしたものの、実際使う時は「雨」なわけで、ホースで水道水を霧状やストレートで噴射してそれを防いだからといって、雨の日に通用するかっつうと、それは別の話なわけで・・・。
なので、
雨の日にも防水テストしました。
結論から書くと、
防水性能変わらず!
凄いなぁ(笑)
雨の日の液体グリーンランドワックスのやつ
小雨から土砂降りな二日にわたる雨の日に外に放置した状態です。
雨の日の固体グリーンランドワックスのやつ
液体グリーンランドワックスのやつと同じ状況です。2枚一緒に張っていたので。
土砂降り後の状況
土砂降りあとはこんな感じでした。
内側は濡れてないというか、雨漏りしてません。
ドライではなく湿っていますが、これは、下が地面で、地面からの湿気で湿っているためです。
個人的には、防水機能完璧です。
凄いなぁ自家製グリーンランドワックス。
コットン製バッグや衣服などワックスで防水したりしますが、それと同じ。
それらと比べ、使う頻度が少ないので、性能も長持ちするはず。
自家製グリーンランドワックスの作り方動画版
というような作業(作り方や防水テスト)の動画版は以下になります。
併せて使う
プラシュパラツカ(Plash Palatka)は、旧ソ連軍のポンチョでケープでタープでテントだったりしますが、単独で使うのはグランドシートにする時くらいです。個人的に。
何かと併せてよく使い、それは米軍パップテント(シェルターハーフ)だったりポーランド軍テントだったりするわけですが、防水加工済みのやつは雨の日に重宝します。
裏庭に張ったまま1週間や10日とか放置していたりするのですが、雨が続いたのでスマホで撮影したら手ぶれまくりな動画になったやつを貼り付けておきます。
次は、ポーランド軍テントに塗布しなきゃなぁ。
と、
まぁ、
そんな「コットン生地の防水加工 グリーンランドワックスの作り方」でした。
ってなことで。
追記:ポーランド軍テントへの防水加工
この自家製グリーンランドワックスでポーランド軍テント(ポーランド軍ポンチョテント)の防水加工を行ったので記事にしました。
相変わらず、物凄い防水性能なわけで(笑)
以下のリンクになります。